今はこう 次はこうしたい

要件定義においてAs-ISとToBeの資料がごちゃ混ぜになっているケースを多く見かける。

現状調査などで業務フローをつくりそれをベースに新システムを考えることが多いが、そのAs-Isとして作製した業務フローがいつしかTo-Beの業務フローとして認識されてしまうことがあるためである。
業務フローに限らず、現状を調査した資料がそのまま、To-Beの資料として使われるのはAs-IsとTo-Beを明確に意識した資料作成をしていない時によく起こる。

As-IsとTo-Beの資料というのはどのように違うかというと、As-Isの資料はあくまでも「今はこうなっています」ということを表し、To-Beの資料というのは「新システムはこうする」ということを表している。

発注者側はそれらの違いをあまり意識していないことが多いが、受注者側は基本的にそれらの資料をTo-Beの資料とみなしてしまう。つまり、現状を表しただけの資料であっても、To-Beとして「このようにしたい」という意志が込められた資料として見てしまう。

このように立場の違いによって資料の見方が変わることがあるので、発注者側で要件定義の資料を作る場合はAs-Isとして記述したものかTo-Beとして記述したものかを明示する必要がある。