要件定義に必要な情報

前回は要件定義には構造があるという話をしました。

今回は「要件定義に必要な情報は何か」ということについて考えてみたいと思います。

要件定義に必要な情報は以下の8種類の情報です。

 ・このシステムの目的は?
 ・どのような人に使われているのか?
 ・どのような外部システムとつながるのか?
 ・システムはどのような業務で使われるのか?
 ・業務とシステムとの接点は?
 ・その時の入出力情報は?
 ・システムに必要な機能は?
 ・その機能が使用するデータは?

これらの情報はシステムを順次説明するときに必要な情報のつながりと考えることが出来ます。

例えば以下のようにシステムを説明することができます。

このシステムには次の人たちが関わります。同時にこれらのシステムと連携します。そして、このような業務で使われます。その中でシステムの目的であるXxxxを達成します。
システムは先の業務の中で次のような接点をもち、そこで以下のような入出力情報を必要とします。
そしてその境界線を実現するために必要な機能は以下のようなものです。そして、その機能には次のデータが必要です。
ここで「Xxxx」、「以下の」、「次の」の部分に個々のシステムの定義情報が当てはまることになります。

このように要件定義にはシステムに関わる人からシステムの機能とデータまでをつなげて語れることが必要だと考えます。つまり、システムの要件は最終的にシステムの機能とデータが明らかになればいいと考えますので、その機能とデータがどのように導き出されたのかを明示することが出来れば、要件定義として満たしていると考えます。
これは要件定義は、それに続く外部設計のための入力となるので、その入力に足る情報として「なぜそのような機能とデータが必要なのか」が説明されている必要があると考えるからです。

次はこれらの情報をどのように洗い出し、組みたて、整理するかです。
そのためには前回説明した4つの視点がが役に立ちます。

注)
当然実際の要件定義では非機能要求やハードウェア要件が必要になりますが、ここでは一番難しい機能要件に絞って説明しました。