B.システム開発を受注する立場にとっての要件定義とは

システムを開発する側の立場に立つと二つの側面が要件定義書に求められる。

・見積もり可能な情報があること
・実現する機能範囲が明確になること

■見積もり可能な情報があること
見積もりを作成するにあたっては戦略的な価格設定、もしくは内部工数を積み上げる方式など、いくつかの方式が考えられるが、ここでは一般的に行われている内部工数による価格決定を例に考えてみる。

この方式で計算するためには要件定義から内部工数を計算できるだけの情報をもっている必要がある。
同時に作り方によって工数が大きく変わるので、システムのアーキテクチャがある程度見えている必要がある。
もっと言うとアーキテクチャ策定可能な程度に非機能要求が明確になっている必要がある。
そしてその非機能要求のベースとなる機能要求が明確になっている必要がある。

■実現する機能範囲が明確であること
機能範囲をどのように把握するかであるが、これは機能量として把握するのがいいであろう。
機能量は前回紹介したユーザ企業と同じである。


単純に考えるとユーザ企業などの発注側はWhatが重要であり、開発側であるSIerはWhatとHowの両面が必要である。

従って、ユーザ企業よりも開発企業の方が要件定義に求めることが多い。